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第16回「演劇について思うこと」

  秋山の黄葉を茂み迷いぬる 妹を求めむ山道知らずも

好きな句の一つです。この句を見てピンっと来る人もいるかもしれません。僕は毎回舞台を作るたびにこの句が頭に浮かびます。目的地は分かっているのに道が分かんねぇ! 的な易訳解釈です(失礼ですかね)。

はてさて、今回のテーマに触れていきます。

最近の演劇について思うこと。色々思うのですが、今回あえて【演者はキャラの研究をして欲しい】を挙げます。もちろんプロの団体とかは除外で。アマチュアや学生演劇でやっている人たちへ向けたワードですかね。

キャラの研究の第1歩【動き】、要するに所作のことなのですが自分の中でイメージしている自分の動きと他人から見た自分の動きってかなりかけ離れているものです。そこを理解した上で、キャラの動きを研究してほしいのです。例えばトランスジェンダーの男の子の役の場合では「肩甲骨を少し後ろ下に引いて撫で肩を目指し、足は内股、歩幅は一般男性よりは小さく」といったところを鏡で研究してから見せて欲しいです。声優ブームの流れからか、声色を変える人が多いですが舞台の上では所作が7割方のイメージを占めてしまうため、声の変化だけではあまりキャラにならないわけです(もちろん声の変化も重要ですが)。

そこにプラスして演者本人のアイデンティティが加わると更にキャラに深みが出て来ます。演じる人によって同じ動きをしていてもキャラの雰囲気が変わると言われる要因の一つです。その演者の歩んできた人生、経験が舞台には出ます。アマチュアの世界は特に出ます。「キャラになれるから役者が好き」という言葉を言う人がいますが、実は逆で「普段の自分を重ねることができるから役者が好き」なんじゃないかなと。普段の自分をいかに武器にしてキャラを作りこむか、これも舞台作りの楽しみの一つです。

他にも色々と言いたい部分はあるのですが、あまりにも長すぎて読まれなくても嫌なのでこれくらいにします(笑)

舞台まであと少し、役者や制作のみんなのさらなる進化に期待してくださいね。


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