第11回「舞台監督」
「舞台監督」と言われて、「舞台の裏方」と思う人は少なくないと思います。今回は舞台監督とはどんな仕事なのかを紹介します。
舞台監督は、演劇公演の危険を回避し、最後まで無事に舞台を成功へ導くのが仕事です。
具体的な仕事を挙げれば、劇場や美術の打ち合わせ、稽古場や舞台の準備、装置や機材の発注作業、搬入や片付けの進行などがあります。そんな中でも特に重要な仕事は、袖幕での指示です。演出家や各セクションスタッフのキュー(タイミング)をもとに、劇場に入らないと分からない現状を、口頭で伝えながら通し稽古や本番を進めていきます。また緊急時に公演の続行や中断の判断、緊急避難の対応など舞台上で起こることはすべて舞台監督が責任を負います。
お客様の目には一切入ることはありませんが、安全に物語が進んでいけるのは舞台監督のおかげなのです。公演によって毎回仕事が違うため、経験を重ね、技術を磨き、どんな状況でも焦らずに対応しなくてはならない、そんな広い知識と経験が求められる職業です。