第8回「照明」
このコラムでは照明について紹介します。
照明の主な仕事は、作品の世界を光で表現する照明演出を考え、それを舞台へ反映するための機材を選び、配置することです。ただ舞台を明るく照らすだけと思われがちですが、演劇においての照明は「照明を知って舞台を知る」と言われるほどに作品への影響力が強く、それを司るこの役職は非常に難しく奥深いものです。
多くの色の光を組み合わせて照らしたり、特定の人物に焦点を当てたい時はピンスポットライト* を使うなど様々なテクニックを駆使し、登場人物の心情やシーン全体の雰囲気を演出のイメージ通りに表現する、これが腕の見せ所の1つです。
また、本番では各所に配置した照明機材の操作も担当します。ここでは明るさや切替えのタイミングで舞台の雰囲気に変化をつけることができます。
今回の劇ではあえて地明かりをメインに使用する予定ですが、今後ほかの劇を観る際には照明にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
* 狭い範囲の人や物、場所を照らすための照明。