第7回「脚本とは?」
演劇において、登場人物のセリフや舞台上の動きなどが書かれたものを「脚本」や「台本」と言います。
脚本家は、伝えたい強いメッセージや観客に考えて欲しいテーマを元に物語を作ります。
例に、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を見てみましょう。
『ロミオとジュリエット』のテーマは、
「人の力ではどうすることもできない運命と純愛」です。
それを、
「対立する2つの家に生まれた16歳のロミオと13歳のジュリエットは、激しい恋に落ちる。2人は両親の反対を押し切り、密かに結婚をするが、運命の悪戯により愛ゆえに死を選んでしまう」
という物語を通して、そのテーマを描きます。
実際にその一節を見てみましょう。
(筆者訳)
また、ほぼセリフだけで構成された演劇の脚本には、小説特有の情景や心情の描写はありません。それらを表現するのは演出家の仕事ですが、それについては第4回のコラムをご覧ください。
是非、皆さんも実際に場面を想像しながら、『ロミオとジュリエット』を読んでみてはいかがでしょうか?