第2回「演劇の現状①【埋もれていく演劇】」
「はじめに」
私は、生まれてから22年間演劇を観たことがありませんでした。
映画が好きで、演劇なんか古くてダサくて、お遊戯会でしょとバカにしていました。
しかし今、私は演劇を愛し、プロデュースまで行っています。
メディアが多様化している今でも、決して廃れつつある古い文化ではなく、1人の人間の人生を変えてしまうほどの大きな魅力が演劇にはあるのです。
私たちは、【演劇の魅力を社会に伝えたい】のです。
そのためには、埋もれつつある演劇が持つ課題を明らかにし、挑戦しなくてはいけません。
今回は、その演劇の現状についてお話しします。
「触れづらく、埋もれた演劇」
かつて演劇・芝居は多くの人に親しまれる娯楽でした。しかし、映画・テレビ・インターネット・スマートフォンの登場によりメディアが多様化した現在、演劇は埋もれてしまいました。
それどころか、メディアの代表格であったテレビでさえも見る人が減ってきているのが現状です。
しかし、テレビや漫画、映画、お笑いはスマホで触れることができるようになってきています。
もちろん演劇も触れることはできなくもありませんが、映像化するとその魅力の9割は削がれてしまいます。演劇は気軽に“お試し”が利かないのです。
「する側と観る側の割合」
演劇が埋もれてしまっていても、演劇をする側の人間は意外と多いのです。
ただ、演劇をする人に対して、観に行く人がとても少ないのです。そうなると、だんだんと演劇という文化は廃れていってしまいます。
それこそが、演劇が抱える1番の問題なのではないでしょうか。
「観客の減少」
演劇を観る人たちは減っています。
もちろん誰だって、時間が制約されて、足を運ばなくてはいけなくて、お金のかかる“面倒な”演劇よりも、手軽で時間・場所を選ばない無料のネットを選ぶのは当たり前のことだと思います。
「それなら、人を呼ぶ努力をすれば良いのでは?」と思われると思います。もちろん多くのプロが試行錯誤して少しずつ良い方向へと向かってはいますが、今はまだ厳しいのが現状です。
次回の「演劇の現状②」では、
新たな観客が増えづらい演劇の現状とその理由をお話しします。