「新年〜ごみを拾ってアートしよう!企画」ごみアート制作編
みなさんは「アップサイクル」という言葉をご存知でしょうか?? 「アップサイクル」とは、廃棄や使わなくなったモノを再利用し、元の製品よりさらに次元・価値の高いモノを生み出すことです。 ・布の切れ端からバックをつくる。 ・お菓子のパッケージから傘をつくる。 ・破棄されたタイヤチューブから靴をつくる。
これらはいずれも「アップサイクル」の考え方が実際に適用された事例です。
ものづくりの現場でも持続可能性(sustainability)が問われ始めた今、「アップサイクル」は非常に注目を集めています。 《この「アップサイクル」の概念を用いて、社会とアートを繋げられないだろうか?》 この発想こそが「ごみアート」の始まりでした!
ポイ捨てされたごみを拾うところから始まり、分別して捨てることで終わる一連のごみアート企画。
その肝となるごみアート制作では、創文企画メンバーが各々、渋谷区のごみ拾いで感じたこと、訴えたいことをカタチにしました。
発案者が作品の構図を描画し、メンバーに発表・プレゼンを行って、採用されたアイデアがメンバーの協力のもと作品化されます。
たとえば、人型のごみアート、ラザロの場合は・・・
・・・こういう構想書きからスタートしました。
これを元に制作が開始され、愛称も「TRASHMAN」から「ラザロ」に変わり、
作品が完成します。
こうして、合計で4つの作品が誕生しました。
作品はどれも力作ぞろいで、展覧会などでは常に多くの方々から高い評価をいただきました!!
以下、その作品群をご紹介します!
«Lazarus Project»
材料:紙・ビニール類のごみ、段ボール、ガムテープ
「渋谷のごみを収集する中で我々はその量の多さに驚かされた。オリンピックの中心となるこの街をどのように綺麗にしていくべきなのか。渋谷の真に美しい街としての再生、ごみ自体の再生を願い、ラザロと命名した」(制作者)
«シブヤク・バタフライ»
材料:空き缶、両面テープ
「空き缶はタバコに次ぐ代表的なポイ捨てごみのひとつと言えます。渋谷区のごみ拾いではわずか半日でこの蝶々6頭分の空き缶を拾うことができました。この作品が次の誰かのごみ拾い活動に繋がることを強く願っています」(制作者)
«A cigarette flower»
材料:タバコの吸殻、タバコケース、針金、ラップ、紙箱、布、グルーガン
「もともとは鮮やかな白やピンクの花々、タバコ。一度は役目を終え、街の中に捨て去られたタバコたちに、もう一度命を吹き込みたい。タバコの花々を象った、”A cigarette flower"。何かが心に残り、そしてポイ捨てをとどまらせる1つの力となることを願う」(制作者)
«三種のオシャレ神器»
材料:スターバックスプラスチックカップ、MacBook(ノートPC、ジャンク、私物)、本(私物)
「これらの物の中身ではなく、ブランドをオシャレとして消費している人間は多く、中身は何でもいいのかという皮肉を込めた作品」(制作者)
この作品制作を通して我々は、渋谷にどのようなごみが、どれほど落ちているかを可視化できました。
こうして出来上がった作品は、いくつかの展覧会に出品され、最後には解体されて再び「ごみ」へと還っていく・・・
・・・のですが、それについては別の記事に譲ろうと思います。
最後になりますが、制作に協力していただいたみなさま、ありがとうございました!
-------------------------------------------------- 「新年〜ごみを拾ってアートしよう!企画」ごみアート制作編 日時:2016年2月1日(月)〜23日(火) 主催:創造文化企画
(校閲:髙橋旦)